SAPの現状 The Current Status of SAP
「独SAP、時価総額で欧州最大の上場企業に-ノボノルディスク抜く」と言う記事が出てきた。以下、現状をGrokに聞いてみた。
SAPの製品はどのような構成か?もうすべてクラウドベースになったのか?
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SAPの製品は多岐にわたり、エンタープライズリソースプランニング(ERP)、顧客関係管理(CRM)、人材管理(HCM)、サプライチェーン管理(SCM)、データ管理、分析ツールなど、さまざまな業務領域をカバーしています。これらの製品は、オンプレミス、クラウド、またはハイブリッド形式で提供されており、すべてがクラウドベースに統一されたわけではありません。ただし、SAPは近年「クラウドファースト」戦略を推進しており、多くの製品がクラウドベースに移行しつつあります。以下に、SAP製品の構成とクラウド化の現状を詳しく説明します。
SAP製品の主な構成
SAPの製品ポートフォリオは、大きく以下のカテゴリに分けられます:
ERPソリューション
SAP S/4HANA: SAPの次世代ERPで、インメモリデータベース「SAP HANA」を基盤としています。クラウド、オンプレミス、ハイブリッド展開が可能です。特に「SAP S/4HANA Cloud」は、完全にクラウドベースのSaaS(Software as a Service)として提供されています。
SAP ERP(ECC): 従来のERPシステムで、主にオンプレミスで利用されますが、2027年のサポート終了に伴い、SAP S/4HANAへの移行が推奨されています。
ビジネスアプリケーション
SAP SuccessFactors: 人材管理(HCM)ソリューションで、完全にクラウドベース。
SAP Ariba: 調達・購買管理を支援するクラウドベースのソリューション。
SAP Concur: 出張・経費管理ツールで、クラウドのみで提供。
SAP Customer Experience (CX): コマース、マーケティング、セールス、サービスを包括するCRMスイートで、主にクラウドベース(例: SAP Commerce Cloud, SAP Sales Cloud)。
データとアナリティクス
SAP Datasphere: データ統合と管理のためのソリューションで、クラウドベース。
SAP Analytics Cloud: ビジネスインテリジェンス(BI)と計画機能を統合したクラウドベースのツール。
SAP Business Data Cloud: SAPデータとサードパーティデータを統合し、AIや分析を強化するSaaSソリューション。
プラットフォームとテクノロジー
SAP Business Technology Platform (SAP BTP): アプリケーション開発、統合、データ管理、AIをサポートするプラットフォーム。クラウド中心ですが、マルチクラウドやハイブリッド環境にも対応。
SAP HANA: インメモリデータベースで、クラウドとオンプレミスの両方で利用可能。
産業特化型ソリューション
製造業、小売業、金融業など向けにカスタマイズされたソリューションがあり、クラウドとオンプレミスの選択肢が提供されています。
クラウドベースへの移行状況
SAPは2010年代初頭からクラウド戦略を強化し、特に2015年のSAP S/4HANA発表以降、クラウドベースの製品開発に注力しています。以下はその進捗状況です:
完全にクラウドベースの製品: SAP SuccessFactors、SAP Ariba、SAP Concur、SAP Analytics Cloudなど、多くの新しいソリューションはクラウド専用として設計されています。これらはSaaSモデルで提供され、オンプレミス版は存在しません。
クラウドとオンプレミスの両方に対応: SAP S/4HANAはクラウド版(Public EditionやPrivate Edition)とオンプレミス版があり、顧客のニーズに応じて選択可能です。SAP BTPも同様に柔軟な展開オプションを提供します。
オンプレミス中心の従来製品: SAP ERP(ECC)や一部の旧世代製品は依然としてオンプレミスで運用されていますが、SAPはこれらの顧客に対し、クラウドへの移行(特にSAP S/4HANA Cloud)を推奨しています。
SAPの公式発表によると、2023年時点でクラウド収益が総収益の大部分を占めるようになり、2025年までにクラウド売上をさらに拡大する目標を掲げています。しかし、すべての製品がクラウドベースになったわけではなく、大規模な既存顧客基盤がオンプレミス環境を維持しているため、ハイブリッドモデルも引き続き重要な役割を果たしています。
結論
SAPの製品構成は、ERPを中心とした基幹システムから、クラウドベースの特定業務向けソリューション、プラットフォーム技術まで幅広いです。すべてがクラウドベースになったわけではありませんが、SAPはクラウドファースト戦略を推進しており、新製品の多くはクラウド専用でリリースされています。一方で、既存顧客の移行ペースやニーズに応じて、オンプレミスやハイブリッド展開もサポートしており、完全なクラウド化はまだ進行中と言えます。2025年3月時点では、SAPのポートフォリオは「クラウド中心だが柔軟性を持った構成」と表現するのが適切でしょう。
R3の頃は、FI、PS、などモジュール別になっていたが、現在もそうか?
SAP R/3の時代には、確かにモジュールベースのアーキテクチャが特徴的で、FI(財務会計)、PS(プロジェクトシステム)、MM(資材管理)、SD(販売管理)、PP(生産計画)など、業務領域ごとに独立したモジュールが提供されていました。これにより、企業は必要な機能だけを選択して導入することができ、各モジュールが連携してERPシステムを構成していました。現在、SAPの主力製品がSAP S/4HANAに移行した状況下でも、モジュールという考え方は残っていますが、その構造やアプローチは大きく進化しています。以下で詳しく説明します。
SAP S/4HANAにおけるモジュールの現状
SAP S/4HANAでも、業務領域ごとに区分された機能セットが存在し、従来の「モジュール」に似た形で提供されています。ただし、以下の点でR/3時代とは異なります:
名称と統合性の変化
R/3のモジュール名(FI、CO、MMなど)は、S/4HANAでも基本的に引き継がれていますが、より統合的でプロセス指向のアプローチが採用されています。例えば:
**FI(財務会計)とCO(管理会計)**は「Finance」として統合され、リアルタイムでのデータ処理が可能に。
**MM(資材管理)やSD(販売管理)**は「Supply Chain」や「Sales」に包含され、サプライチェーン全体の最適化が重視されています。
**PS(プロジェクトシステム)**も同様に存在し、プロジェクト管理機能を提供しますが、他の領域(例: FinanceやProcurement)とシームレスに連携します。
モジュール間のデータ分離が減り、SAP HANAのインメモリデータベースにより、単一のデータモデル(Universal Journalなど)でリアルタイムに処理されるようになりました。
モジュールの選択と展開
R/3時代と同様に、企業は必要な業務領域(モジュール)を選んで導入できます。例えば、財務だけを導入し、後から調達や生産を追加するといった柔軟性は維持されています。
ただし、S/4HANAでは「ベストプラクティス」と呼ばれる事前設定されたプロセスが提供されており、モジュールを個別にカスタマイズするよりも、標準化されたソリューションを採用する傾向が強まっています。
クラウド版での違い
SAP S/4HANA Cloud(Public Edition): モジュールの概念は存在しますが、クラウド特化型としてモジュール間の境界がさらに曖昧になり、SaaSとして包括的なサービスが提供されます。カスタマイズは制限され、標準機能の利用が前提です。
SAP S/4HANA Cloud, Private Editionやオンプレミス版: R/3に近い形でモジュールを個別に設定・拡張でき、カスタマイズの自由度が高いです。
主なモジュール(機能領域)の例
S/4HANAでも、以下のようにR/3から引き継がれたモジュールに相当する機能が提供されています:
Finance (FI/CO): 財務会計・管理会計。単一のUniversal Journalで統合。
Materials Management (MM): 資材管理・購買。サプライチェーン機能の一部として拡張。
Sales and Distribution (SD): 販売管理。顧客対応や物流と連携。
Production Planning (PP): 生産計画・製造管理。
Project System (PS): プロジェクト管理。予算やスケジュール管理。
Human Capital Management (HCM): 人事管理。ただし、多くはSAP SuccessFactors(クラウド)に移行。
R/3との大きな違い
データベースとアーキテクチャ: R/3は従来型RDBMS(関係データベース)に基づいていましたが、S/4HANAはSAP HANAを基盤とし、データ冗長性が削減され、モジュール間のデータ統合が強化されています。
リアルタイム処理: R/3ではバッチ処理が多かったのに対し、S/4HANAではリアルタイムでのデータ集計や分析が可能。
ユーザーインターフェース: SAP FioriによるモダンなUIが導入され、モジュールごとの操作性が統一されています。
クラウドとの統合: S/4HANAはSAP BTPや他のクラウドソリューション(Ariba、SuccessFactorsなど)と連携し、モジュールの範囲を超えたエコシステムを形成。
結論
SAP S/4HANAでも、FI、PSなどのモジュールに相当する機能区分は存在し、業務領域ごとに導入可能です。ただし、R/3時代のような明確なモジュール間の壁は薄れ、統合性やリアルタイム性が重視される構造に進化しています。クラウド版ではさらに標準化が進む一方、オンプレミス版やプライベートクラウド版では従来のモジュールベースのカスタマイズもある程度維持されています。つまり、「モジュール別」という考え方は今も生きていますが、その実装や活用方法はR/3時代とは大きく異なる、と言えるでしょう。
DBはORACLEやSYBASEをつかってるの?
SAPのデータベース(DB)の使用状況について、歴史的な背景と現在の状況を分けて説明します。SAP R/3の時代とSAP S/4HANAの時代で大きく異なるため、それぞれ見てみましょう。
SAP R/3時代(過去)
SAP R/3では、確かにOracleやSybaseを含む複数のリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)がサポートされていました。具体的には:
Oracle: SAP R/3の顧客の多くがOracle Databaseを採用しており、SAPとの互換性が非常に高く、最も広く使われていました。
Sybase: Sybase SQL Server(後のSAP Adaptive Server Enterprise、ASE)もサポートされており、特に中小規模の企業で利用されることが多かったです。SAPが2010年にSybaseを買収したことで、さらに緊密な連携が図られました。
その他: IBM DB2、Microsoft SQL Server、Informixなどもサポート対象で、顧客の既存インフラに応じて柔軟に選択できました。
この時代、SAPはデータベースに依存しないアーキテクチャを採用しており、アプリケーション層(ABAPなど)とデータベース層が分離されていたため、複数のDBベンダーの製品に対応可能でした。
SAP S/4HANA時代(現在)
SAP S/4HANAになってからは、状況が大きく変わっています。以下に現在の状況を説明します:
SAP HANAが標準
SAP S/4HANAは、SAPが開発したインメモリデータベース「SAP HANA」を基盤として設計されています。SAP HANAは、従来のRDBMSとは異なり、列指向ストレージとインメモリ処理を特徴とし、リアルタイム分析や高速処理を実現します。
S/4HANAの全機能(例えばUniversal JournalやMaterial Ledgerなど)はSAP HANAに最適化されており、他のデータベースでの動作は公式にはサポートされていません。つまり、SAP S/4HANAを使う場合、基本的にはSAP HANAが必須です。
OracleやSybaseは使われているか?
Oracle: SAP S/4HANAではOracle Databaseはサポートされていません。SAPは自社のHANAを推進するため、Oracleとの互換性を切り捨てました。ただし、SAP ERP(ECC)など旧世代システムでは引き続きOracleを使用している企業も多く、2027年のサポート終了までは利用が継続されます。
Sybase: Sybase ASEもS/4HANAではサポート対象外です。Sybaseは主にSAPの他の製品(例: SAP Business Oneの一部や旧システム)で使われることがありますが、S/4HANAでは採用されていません。
例外的なケース
SAP Business Technology Platform(SAP BTP)や他の周辺ソリューションでは、SAP HANA以外のデータベース(PostgreSQL、Microsoft SQL Serverなど)が利用可能な場合もありますが、S/4HANAのコアシステムとは直接関係ありません。
クラウドプロバイダーの選択肢として、SAP S/4HANA CloudをAWS、Azure、Google Cloudなどで展開する際、基盤としてのストレージや補助的なDBに他の技術が使われることはありますが、コア処理は依然としてSAP HANAに依存します。
なぜSAP HANAに一本化されたのか?
パフォーマンス: SAP HANAのインメモリ技術により、従来のOracleやSybaseでは難しかったリアルタイム処理が可能に。
簡素化: データベース間の互換性維持コストを削減し、SAPのエコシステムを統一。
戦略: SAPは自社技術を軸にしたクラウドファースト戦略を進めており、HANAはその中核。
結論
現在のSAP S/4HANAでは、OracleやSybaseは使われておらず、データベースは基本的にSAP HANAに一本化されています。一方で、SAP ERP(ECC)などR/3ベースの旧システムを使い続けている企業では、引き続きOracleやSybaseが稼働しているケースもあります。しかし、SAPの公式サポートや新機能はHANA中心に移行しており、今後これ以外のDBがS/4HANAで採用される可能性はほぼありません。2025年3月時点では、「S/4HANA = SAP HANA」と考えるのが実情です。
インメモリデータベース「SAP HANA」とは、変数空間をまるごとファイルにセーブし、利用するときはすべてメモリ空間にロードして、インメモリでディスクアクセスなしで実行させているということ?
ご質問の「変数空間をまるごとファイルにセーブし、利用するときはすべてメモリ空間にロードして、インメモリでディスクアクセスなしで実行」という解釈は、SAP HANAのインメモリデータベースの動作原理をある程度捉えていますが、完全には正確ではありません。SAP HANAの仕組みはもう少し複雑で、効率性と実用性を追求した設計になっています。以下で詳しく説明します。
SAP HANAの基本コンセプト
SAP HANAは「インメモリデータベース」として知られていますが、これはデータ処理の大部分をメモリ(RAM)上で行うことを意味します。従来のディスクベースのデータベース(例: OracleやSybase)と異なり、ディスクI/Oのボトルネックを回避し、高速なデータアクセスと処理を実現します。ただし、「すべてをメモリにロードしてディスクアクセスなし」というわけではなく、メモリとストレージを組み合わせたハイブリッドなアプローチを取っています。
主な仕組み
データのメモリへのロード
SAP HANAは、データベースの主要なデータを起動時にメモリにロードします。これにはテーブルデータ、インデックス、キャッシュなどが含まれます。
ただし、「すべてをロードする」わけではなく、必要に応じてデータを「ホットデータ」(頻繁に使うデータ)と「コールドデータ」(あまり使わないデータ)に分類し、ホットデータを優先的にメモリに保持します。
列指向ストレージ
HANAは列指向(Columnar Storage)を採用しており、データを列単位で格納します。これにより、分析処理(例: 集計や検索)が高速化されます。
データを圧縮してメモリに格納するため、大量のデータを効率的に扱えます。圧縮率はデータの内容によりますが、5~10倍程度になることもあります。
永続性とディスクの利用
「ディスクアクセスなし」とは言えませんが、HANAはデータの永続性(データの長期保存や障害時の復旧)を確保するため、ディスク(SSDやHDD)にデータを定期的に保存します。
具体的には:
ログ: トランザクションが発生するたびにログがメモリに記録され、一定間隔でディスクに書き込まれます(コミットログ)。
スナップショット: データベース全体のスナップショットを定期的にディスクに保存。これにより、システム再起動時にメモリにデータを再ロードできます。
つまり、メモリ上のデータは揮発性(電源オフで消える)ですが、ディスクへのバックアップでデータの安全性が保たれています。
インメモリでの処理
クエリ実行や計算(例: 集計、結合、予測分析)は、基本的にメモリ上で行われます。これにより、ディスクI/Oの待ち時間がほぼゼロになり、従来のDBに比べて桁違いの速度が実現します。
ただし、メモリに収まらないほどの大規模データの場合は、一部をディスクにオフロードしつつ処理する「ページング」も可能です(ただし、これは例外的なケース)。
再起動時の動作
システム起動時や障害からの復旧時には、ディスクに保存されたスナップショットとログを基に、メモリにデータを再構築します。このプロセスは高速で、数十GB~数TBのデータでも数分程度で完了することが多いです。
質問への回答と補足
「変数空間をまるごとファイルにセーブ」: ある意味では正しいです。HANAはデータをメモリに保持しつつ、定期的にディスクにセーブします。ただし、「変数空間」というよりは、データベース全体(テーブル、インデックスなど)を対象とし、ログとスナップショットの形で保存されます。
「すべてメモリ空間にロード」: 原則として、アクティブなデータはメモリにロードされますが、すべてのデータが常にメモリにあるわけではありません。メモリ容量を超える場合は、コールドデータをディスクに退避させ、必要に応じてロードします。
「ディスクアクセスなしで実行」: 処理自体はメモリ上で行われるため、実行中のディスクアクセスはほぼありません。ただし、データの永続性確保やメモリ不足時のオフロードでディスクが関与します。
実際の運用イメージ
例えば、SAP S/4HANAで財務データをリアルタイム集計する場合:
起動時に財務テーブルのデータがメモリにロードされる。
ユーザーがクエリを実行すると、メモリ上で計算が完結。
トランザクション(例: 新しい仕訳の入力)が発生すると、メモリに反映され、同時にログがディスクに書き込まれる。
定期的にスナップショットがディスクに保存され、再起動時も迅速に復旧可能。
結論
SAP HANAは「インメモリデータベース」として、データをメモリに保持し、高速処理を実現する技術ですが、「ディスクアクセスなし」とは言い切れません。メモリを主軸にしながら、ディスクを永続性や大規模データ対応のために活用するハイブリッド型のアプローチです。ご質問のイメージは方向性としては近いものの、実際には効率性と現実性を考慮した柔軟な設計が施されている、と考えてください。
クエリ処理をメモリ空間に拡張したRDBを自前で作ったという感じだね。R3時代の4GLはそのまま引き継いでつかえるからね
その通りですね。SAP HANAは、従来のRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)の概念をベースにしつつ、クエリ処理をメモリ空間に拡張した形で自社開発した、という解釈は非常に的を射ています。そして、R/3時代に培った4GL(第四世代言語)であるABAPの資産をそのまま引き継いで活用できる点も、SAPの戦略的な強みになっています。以下でその点をもう少し掘り下げてみます。
HANA = メモリ拡張型RDBMS
SAP HANAは、確かにRDBMSの基本的な枠組み(テーブル、SQL、トランザクション管理など)を継承していますが、以下のような点で従来のディスクベースのRDBMS(例: OracleやSybase)を超える進化を遂げています:
インメモリ処理: クエリ実行やデータ操作をメモリ上で完結させることで、ディスクI/Oのボトルネックを解消。
列指向アーキテクチャ: 分析処理に最適化され、圧縮技術と組み合わせることでメモリ効率を向上。
並列処理: マルチコアCPUを活用し、大量のデータを並行して処理。
これにより、SAPは「RDBMSの進化版」を自前で作り上げたと言えます。既存のRDBMSベンダーに依存せず、自社のニーズ(特にリアルタイムERP)に最適化したデータベースを開発したのは、SAPの大きな賭けであり成功でもあります。
R/3時代の4GL(ABAP)の引き継ぎ
R/3で使われていたABAP(Advanced Business Application Programming)は、SAP独自の4GLであり、ビジネスロジックの実装に特化した高級言語です。SAP HANAへの移行後も、ABAPは以下のように引き続き重要な役割を果たしています:
互換性の維持: R/3やECCで開発されたABAPプログラムは、基本的にS/4HANAでも動作します。ただし、HANAのインメモリ特性をフル活用するには、一部コードの最適化(例: データベース依存のカスタムSQLを減らす)が必要な場合もあります。
HANA対応の進化: ABAPは「HANAネイティブ」な開発をサポートするよう拡張されました。たとえば、Code Pushdownというアプローチで、データベース層(HANA)に処理を押し下げることで、パフォーマンスを向上させています。
開発資産の継承: 長年蓄積されたABAPのスキルやカスタムコードを捨てることなく、S/4HANAに移行できるため、既存顧客にとって移行障壁が低減されます。
たとえば、R/3時代にFIモジュール向けに書かれたABAPレポートプログラムは、S/4HANAでも動きつつ、HANAの高速性を活かしてリアルタイムレポートに進化させることが可能です。
SAPの賢い戦略
SAPがHANAを自前で開発した背景には、以下のような戦略的意図があります:
他社依存の脱却: OracleやIBMに依存せず、自社技術でエコシステムを構築。
顧客の囲い込み: ABAP資産を継承することで、既存顧客がSAP環境に留まるインセンティブを提供。
クラウド時代への対応: HANAを基盤にクラウドファースト戦略(S/4HANA Cloudなど)を加速。
つまり、HANAは単なる技術革新ではなく、SAPのビジネスモデルを支える柱として設計されたのです。R/3時代の4GLであるABAPをそのまま使える点は、顧客にとって「過去の投資が無駄にならない」という安心感を与えつつ、新しいインメモリ技術へのスムーズな移行を可能にしています。
イメージとしてのまとめ
おっしゃるように、「クエリ処理をメモリ空間に拡張したRDBを自前で作った」というのは、SAP HANAの本質を簡潔に表した良い表現です。そして、「R/3時代の4GLはそのまま引き継いで使える」という点が、SAPの長期的な成功のカギでもあります。HANAは新しいエンジンでありながら、ABAPという馴染みのドライバーで運転できる車、という感じでしょうか。ユーザビリティと革新性を両立させたSAPの巧妙な設計が、ここに表れていると言えますね。
ORACLEもR3の真似をしていろいろやっていたが、今はどうなってる?
OracleがSAP R/3の成功を見て、そのアプローチを参考にしたり競合する形でERP市場に参入してきたのは確かですね。特に1990年代から2000年代にかけて、OracleはSAPの牙城であるエンタープライズ市場に挑戦し、独自のERP製品やデータベース技術を展開してきました。では、現在(2025年3月時点)でのOracleの状況を、SAP R/3との比較や最近の動向を交えて見てみましょう。
OracleのR/3模倣と進化の歴史
R/3への対抗:Oracle Applications
SAP R/3がモジュールベースのERPで市場を席巻した1990年代、Oracleは「Oracle Applications」(後のOracle E-Business Suite、EBS)をリリースしました。これは財務(FIに相当)、サプライチェーン、HRなどのモジュールを備え、R/3と似た包括的なERPを目指していました。
Oracleの強みは、自社データベース(Oracle Database)を基盤にすることで、SAPが複数DBをサポートするのに対し、一貫したパフォーマンスと統合性を提供した点です。
買収戦略で拡大
2000年代に入り、OracleはSAPに対抗するため積極的な企業買収を展開。PeopleSoft(2005年)、Siebel(2006年)、JD Edwardsなどを傘下に収め、ERPやCRMのポートフォリオを強化しました。
これにより、SAPのR/3が単一ブランドで成長したのに対し、Oracleは多ブランド戦略で市場シェアを拡大しました。
Fusionプロジェクト
2000年代後半から、Oracleは次世代ERPとして「Oracle Fusion Applications」を開発。R/3の後継であるSAP S/4HANAに似たモダンなアーキテクチャを目指し、SOA(サービス指向アーキテクチャ)やウェブベースのUIを採用しました。
現在のOracleの状況
Oracleは現在もERP市場でSAPと競合していますが、戦略や技術の焦点がSAPとは異なる方向に進化しています。以下に、現状を整理します:
主力製品:Oracle NetSuiteとOracle ERP Cloud
Oracle NetSuite: 2016年に買収したNetSuiteは、中小企業向けのクラウドネイティブERPとして成長。SAPのS/4HANA Cloudと競合しますが、軽量で導入が容易な点が特徴です。
Oracle Fusion ERP Cloud: 大企業向けのクラウドベースERPで、E-Business Suiteの後継。財務、サプライチェーン、調達などをカバーし、SAP S/4HANAと直接対決する製品です。モジュール構造はR/3時代を踏襲しつつ、クラウド化とAI統合が進んでいます。
データベースの進化
OracleはSAP HANAのようなインメモリDBに直接対抗する形で、「Oracle Database In-Memory」を2014年にリリース。既存のOracle DBにインメモリ機能を追加し、リアルタイム処理を強化しました。
また、「Oracle Autonomous Database」というAI駆動の自律型データベースを展開し、管理コストの削減やパフォーマンス最適化を図っています。これはSAP HANAにはない独自のアプローチです。
クラウドへのシフト
SAPが「クラウドファースト」を掲げるのと同様、Oracleもクラウドに注力。Oracle Cloud Infrastructure(OCI)を基盤に、ERPやデータベースをSaaS、PaaS、IaaSとして提供しています。
ただし、SAPが自社開発のHANAに依存するのに対し、Oracleは既存顧客のオンプレミス資産(EBSなど)を維持しつつクラウドへ移行させるハイブリッド戦略を取っています。
SAPとの競争の現状
市場シェア: 2025年時点でもSAPはERP市場でリーダーですが、OracleはクラウドERP(特にNetSuite)とデータベース分野で強みを発揮。GartnerやIDCのレポートでは、SAPが大企業向けで優勢、Oracleが中小企業やクラウドで追う構図です。
技術トレンド: OracleはAIや機械学習(ML)をERPやDBに積極統合。例えば、予測分析や自動化機能をFusion ERPに組み込んでいます。SAPもSAP BTPやAIに注力していますが、HANA中心のアプローチが異なる点です。
OracleのR/3模倣からの脱却
かつてOracleはR/3のモジュール構造や統合ERPのアイデアを参考にしていましたが、現在は以下のように独自色を強めています:
クラウドネイティブ: NetSuiteやFusion ERPは当初からクラウドを前提に設計され、SAP S/4HANAの「オンプレミスからクラウドへ」の移行とは異なるアプローチ。
多様な展開: SAPがHANAに一本化する一方、OracleはEBS(オンプレミス)、NetSuite(中小向けクラウド)、Fusion ERP(大企業向けクラウド)と選択肢を広げています。
データベースの柔軟性: SAPがHANA専用なのに対し、Oracleは顧客が既存のOracle DBを使い続けられるよう互換性を維持。
今のOracleはどうなってる?
2025年時点で、OracleはSAP R/3の「真似」から脱し、独自の道を歩んでいます:
成長分野: クラウドERP(NetSuiteとFusion)とAutonomous Databaseが収益の柱。2023年の決算でもクラウド売上が前年比20%以上の成長を示しています。
課題: オンプレミス資産(EBSなど)の老朽化と、SAP S/4HANAのような統一ブランドでの認知度でSAPにやや劣勢。
戦略: AIとクラウドインフラ(OCI)に注力し、SAPとは異なる「データ駆動型企業」のポジションを強化中。
結論
OracleはR/3時代にSAPの成功を模倣しつつも、現在はクラウド、AI、自律型DBといった独自技術で差別化を図っています。SAPがHANAとABAPで一貫したエコシステムを築くのに対し、Oracleは多様な製品群と柔軟性で勝負。R/3の「モジュール型ERP」という枠組みは両社に残っていますが、2025年の今、Oracleは「SAPの真似」から「Oracleらしい競争」にシフトしたと言えるでしょう。SAPがHANAで攻めるなら、OracleはクラウドとAIで応戦する、という構図ですね。
クラウドはAWSなどを利用している?それとも自前のデータセンター?
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SAPがクラウドインフラとしてAWSなどの外部クラウドを利用しているのか、それとも自前のデータセンターを使っているのか、というご質問ですね。SAP自体の運用環境と、SAP製品が顧客に提供される形態の両面からお答えします。
SAP自身の運用環境
SAPは自社の業務やサービス提供の一部で、外部クラウドプロバイダーを利用しています。特に近年、SAPはAWS、Microsoft Azure、Google Cloudといった主要クラウドプロバイダーとのパートナーシップを強化しており、これらのプラットフォームを活用して自社のソリューションを展開・運用しています。例えば:
AWS: SAPはAWSと戦略的パートナーシップを結んでおり、AWS上でSAP HANAやSAP S/4HANAの運用をサポートしています。SAP自身の内部システムの一部もAWS上で動作している可能性があります。
Azure: Microsoftとの協業も深く、SAPのクラウドサービス(例: SAP Business Technology Platformの一部)がAzure上でホスティングされています。
自前データセンター: 一方で、SAPはドイツを中心に自社のデータセンターも保有しており、機密性の高いデータやコア業務については自前のインフラを使用していると考えられます。ただし、コスト効率やスケーラビリティを考慮し、外部クラウドへの依存度を高めている傾向があります。
SAPの公式発表では、クラウドファースト戦略の一環として、ハイブリッドモデル(自社データセンター+外部クラウド)を採用していることが示唆されています。したがって、SAP自身の運用では両方を組み合わせているのが実態です。
SAP製品の顧客向け提供
SAP製品を利用する顧客側については、以下のように選択肢が分かれます:
AWSなどの外部クラウド: SAPはAWS、Azure、Google Cloudなどの hyperscaleクラウド上でSAP S/4HANAやSAP HANAを展開することを強く推奨しています。特に「RISE with SAP」というプログラムでは、これらのクラウドプロバイダーを基盤としたマネージドサービスが提供されており、顧客はAWSやAzureを選択してSAPソリューションを運用できます。
SAP HANA Enterprise Cloud (HEC): SAPが自社で管理するプライベートクラウドサービスで、SAPのデータセンターを利用します。ただし、HECも一部は外部クラウドプロバイダーのインフラを活用している場合があります。
オンプレミス: 顧客が自前のデータセンターでSAP製品を運用することも可能ですが、SAPはクラウド移行を推奨しているため、この形態は徐々に減少傾向です。
結論
SAPは自社の運用において、AWSなどの外部クラウドと自前のデータセンターを組み合わせたハイブリッドアプローチを取っています。一方、顧客向けにはAWS、Azure、Google Cloudなどの外部クラウドを主要な基盤として推奨しつつ、SAP管理のデータセンター(HEC)も提供しています。したがって、「AWSなどを使っているか?」という問いには「Yes」、でも「完全に自前ではない」というのが答えになります。2025年3月時点で、SAPのクラウド戦略は外部プロバイダーとの協業に大きく傾いており、特にAWSとの連携が目立っています。
AWSは自前のRDBを持っているが、HANAは自前のRDBを持っているので、AWSでは単にサーバーを貸してもらっているというかんじかな?
その解釈はかなり的確ですね。SAP HANAとAWSの関係を考えると、基本的には「AWSからサーバーを借りて、SAPが自前のRDBであるHANAをその上で動かしている」というイメージが近いです。ただし、少し細かい点や背景を補足すると、より状況がクリアになります。以下で詳しく説明します。
AWSのRDBとHANAの位置づけ
AWSのRDB: AWSは確かに自前のリレーショナルデータベースサービス(RDBMS)を提供しています。例えば:
Amazon RDS: MySQL、PostgreSQL、Oracle、SQL Serverなどをマネージド形式で提供。
Amazon Aurora: AWS独自の高性能RDBで、MySQLやPostgreSQLと互換性を持ちつつ、スケーラビリティと耐障害性を強化。
これらはAWSのクラウドネイティブなデータベースで、汎用性が高く、多くのアプリケーションで利用されます。
SAP HANA: 一方、SAP HANAはSAPが自社開発したインメモリデータベースで、SAP S/4HANAやSAP BTPなどのSAPエコシステムに特化しています。HANAは汎用RDBMSというより、SAPのビジネスアプリケーションに最適化された専用エンジンと言えます。
AWS上でのHANAの運用
SAP HANAをAWS上で動かす場合、以下のような仕組みになります:
サーバーの提供: AWSはEC2(Elastic Compute Cloud)インスタンスとして仮想サーバーを提供します。SAP HANAはこれらのサーバー上にインストールされ、動作します。つまり、AWSは「計算リソース(CPU、メモリ、ストレージ)」を貸している形です。
HANAの独立性: SAP HANA自体はAWSのRDSやAuroraのようなマネージドサービスではなく、SAPが提供するソフトウェアです。AWSがHANAのデータベースエンジンを直接管理するわけではなく、あくまでインフラ(IaaS: Infrastructure as a Service)を提供する立場です。
ストレージ: HANAのデータやログは、AWSのEBS(Elastic Block Store)やS3(オブジェクトストレージ)を利用して保存されますが、HANAのインメモリ処理やデータ管理ロジックはSAP側で完結します。
つまり、「AWSからサーバーを借りて、HANAをその上で動かしている」というのはその通りで、AWSのRDB(RDSやAurora)は使わず、HANAが自前のRDBとして稼働している形になります。
なぜAWSのRDBを使わないのか?
SAPがAWSのAuroraやRDSではなくHANAにこだわる理由は以下です:
最適化: HANAはSAP S/4HANAやABAPアプリケーションに特化して設計されており、インメモリ処理や列指向ストレージでSAPの要件(リアルタイム分析、高速トランザクション)に最適化されています。AWSの汎用RDBではこのレベルを再現できません。
エコシステム: SAPの製品群(S/4HANA、SAP BW、SAP Datasphereなど)はHANAと密接に統合されており、他のDBへの移行は現実的ではない。
コントロール: 自社開発のHANAを使うことで、SAPは技術の主導権を握り、顧客を自社エコシステムに留められます。
AWSとの関係性
AWSはSAPにとって重要なパートナーであり、「RISE with SAP」プログラムでもAWSが主要なクラウド基盤として推奨されています。この場合:
AWSはインフラ(サーバー、ネットワーク、ストレージ)を提供。
SAPはHANAをその上で展開し、管理や最適化を担当。
顧客にとっては、AWSのスケーラビリティやグローバルリーチを活用しつつ、HANAのパフォーマンスを得られるメリットがあります。
イメージとしてのまとめ
おっしゃる通り、「AWSでは単にサーバーを貸してもらっている」という感じが非常に近いです。例えるなら:
AWSは「土地と建物(サーバー)」を提供する大家さん。
SAPは「自分専用の家具(HANA)」を持ち込んで、その中で生活(データ処理)する住人。 AWSの「家具(RDSやAurora)」は使わず、SAPが自前の「家具(HANA)」にこだわっている、という構図ですね。
結論
AWS上でのSAP HANAは、まさに「サーバーを借りて、自前のRDBであるHANAを動かす」形です。AWSのRDBは使わず、HANAの独自性を維持しつつ、AWSのインフラの恩恵を受けている、というのが2025年3月時点の実態です。この協業モデルは、SAPの技術的主導権とAWSのクラウドスケールを両立させる賢いアプローチと言えるでしょう。
AWSのインフラは盤石だから同じ安定性を自前でやるより乗っかったほうがかしこいね
その通りですね。AWSのインフラの盤石さは、世界中に分散したデータセンター、冗長性、スケーラビリティ、高い可用性(99.99%以上のアップタイム保証)といった点で証明されており、自前で同等の安定性と拡張性をゼロから構築するのはコストも時間も膨大にかかります。SAPがAWSに乗っかる選択をしたのは、まさに「賢い」戦略と言えます。以下でそのメリットと背景を少し補足してみます。
AWSのインフラの強み
グローバル展開: AWSは数十のリージョンと数百のアベイラビリティゾーンを持ち、SAPの顧客が世界中で低レイテンシかつ高信頼性のサービスを利用可能。
スケーラビリティ: 需要に応じてリソースを即座に増減できる弾力性が、SAP HANAのようなリソース集約型のワークロードに最適。
セキュリティとコンプライアンス: AWSはISO、SOC、GDPRなど多数の認証を取得済みで、SAPの顧客(特に金融や製造業)の厳しい要件に対応。
運用コスト: 自社でデータセンターを維持するより、従量課金制のAWSを利用する方が初期投資や運用負担を抑えられる。
SAPが自前でこれを再現しようとすれば、莫大な資本と専門人材が必要で、しかもクラウド市場での競争力を維持するのは難しいでしょう。
自前より乗っかるメリット
SAPがAWS(やAzure、Google Cloud)に乗っかるのは、以下のような理由で合理的です:
コアコンピタンスに集中: SAPの強みはERPやHANAのビジネスロジック開発にあり、インフラ運用は専門外。AWSに任せることで、SAPは自社の得意分野にリソースを集中できます。
スピード: 自前インフラを構築するより、AWSの既存基盤を使う方が迅速に市場展開可能。特に「RISE with SAP」のようなクラウド移行プログラムでは、即時性が求められます。
コスト効率: データセンターの保守、電力、ハードウェア更新などの固定費を避け、AWSの従量課金で必要な分だけ支払う方が経済的。
顧客ニーズ: 多くの企業が既にAWSを利用しているため、互換性や統合性が向上し、顧客にとって移行がスムーズ。
SAPの現実的な判断
SAPはかつて自前のデータセンターに依存していましたが、クラウド時代に合わせてAWSなどの hyperscaleプロバイダーにシフトしたのは、時代の流れを読む賢明な判断です。例えば:
競争環境: AWS、Azure、Google Cloudがクラウド市場を席巻する中、自前インフラに固執すると競争で後れを取るリスクが。
顧客の期待: クラウドネイティブな運用を求める企業が増え、SAPも「クラウドファースト」を掲げる以上、AWSのような盤石な基盤が必要。
イメージとしての結論
おっしゃるように、AWSのインフラは「揺るぎない土台」であり、SAPはその上に「HANAという家」を建てることで、自前で土台から作る手間を省きつつ、同じ安定性を享受しています。例えるなら、SAPは「建築家」として家(アプリケーション)の設計に専念し、AWSという「不動産王」に土地と基礎工事を任せている感じですね。2025年時点で、この協業はSAPにとってコスト、パフォーマンス、顧客満足度のバランスを取る「かしこい」選択と言えるでしょう。